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情報処理と環境に関する研究報告

AL_COM.IER1 March 1,2002

 

4.あとがき

本報告書では,人工的に生体を操作できる2つの方法を提案した.本文では,次のように分類してきた(2.2,3.参照)

I.    環境的制御と遺伝的制御

II.   情報処理に基づく制御

物質とエネルギーを操作することで生体を操作する方法では,Tの制御の方法がある.情報の処理を制御することで生体を操作する方法では,Uの制御の方法がある.

3章では,著者は式(2.1)の生体の方程式と式(2.2)でTとUを考察した.式(2.2)の生体情報処理からの著者の考察で,生体と環境との相互関係を課題として提案した.

現在では,式(2.2)に対応する具体的な数学的記述の解析が課題である.著者は,生体情報処理のモデルから生じる誤差値の研究がこの課題にはある,ことを考える.今後,生体の制御や弱い人工生命などにおける式(2.2)を使った研究が本研究室の予定である.また,本研究室では,次の4つに分類した細胞を制御する方法を提案した3).これらの提案:

i       「体液を媒介する方法」

ii      「神経による方法」

iii     「細胞の細胞質間での直接の交流ができる方法」

iv     「分子による方法」

である.これらの方法では,環境と遺伝のそれぞれから生体を操作できる.特にCの提案での「イオン分子分布の制御」では次の数学的モデルの提案をしている.物質に対する細胞膜の選択透過性の機能をする孔の摩擦抵抗を制御する方法4)で,イオン分子の移動が制御できる細胞膜の回路モデルである.これらの制御の方法に本報告書で提案した方法を応用する研究を今後の予定とする.

 

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